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御寺泉涌寺塔頭 即成院 公式サイト
京都市東山区寺山内町28

平成28年4月21日・22日

第5回 音楽奉納 in 仏さまのオーケストラ即成院 〜第69回全日本学生音楽コンクール受賞者演奏会〜

春風の心地よい季節になりました。皆様には、ご清栄のこととお慶び申し上げます。
 この度、音楽家の登竜門として名高い、毎日新聞社主催の第69回全日本学生音楽コンクール(高校の部)各部門の第1位受賞者を迎えて、即成院と仏縁深い全国の経済人から有志を募り、「音楽奉納・京都研修」を贈ります。
 一千年の間、先人によって護り継承されてきた“仏さまのオーケストラ”がおられる空間で、才能豊かな若者達に“仏さまに聴いて頂く”という経験をしていただきます。若き音楽家が、良き日本人として主体性を確立して世界に羽ばたけるよう、音楽だけでなく、日本に息づく文化・伝統・歴史に触れ、身をもって体験することで、生きた経験として世界に発信していただけることと思います。
 尚、本日は、プロとして活躍されているピアニストの佐藤勝重さんの演奏もお楽しみください。
 今後の若き才能の発展と、皆様のますますのご活躍を祈念申し上げます。

平成28年4月21日
御寺 泉涌寺 塔頭 即成院 住職 平野雅章

「音楽奉納・京都研修」の提案理由

我家は、5分と離れていないところに武蔵野音楽大学があります。この大学では、世界各国から演奏者を客員教授として招いています。
今から37年前のことですが、当時、旧ユーゴスラビア人のオペラ歌手も客員として大学の近くに住んでいました。私の子ども達が彼女と仲良くなり、帰国するまでの10年間、家族で交流を深めました。帰国に際し、息子が通う地元の中学校へ、「700名の生徒のうち一人でも聴いて楽しかったと言ってくれたら、意味がある」と言って、コンサートを贈ってくれました。翌年、26歳でリスト音楽院教授となったハンガリー人のヴァイオリニスト一家が帰国する前に、やはり同じ中学校でコンサートを致しました。
実は、この時代の中学校は荒れていたのです。演奏後、アンコールで校歌を丁寧に弾く姿に、生徒たちは驚き、これまで音楽の授業で、声を出して歌ったことのなかった男子生徒が歌うようになり、学内で合唱コンクールができるようになり、卒業式では、生徒の発案で音楽による卒業式が行われました。後の話ですが、このコンサートを報じた新聞を読んだ、当時のハンガリー大使が、ご夫妻を招いた夕食会で「日本によい贈り物をしてくれました。誇りに思います」と、直々に御礼を言われたそうです。こうした間にも、友達が友達を呼んで、ドイツ、ポーランド、イタリア、イギリス、内モンゴル等の方たちが遊びに来てくれました。特に、実業家のアメリカ人一家との交流は、親子共に年齢が近く、子供たちは毎日遊んでいました。その間、親は、趣味の話から始まって、子育て、政治、経済、文化と話題はつきませんでした。様々な話に共感したり、違いを知ったりと、本音で話し、お正月からクリスマスまで、お互いの国の季節の伝統行事を一緒に遊び、楽しみました。細やかな草の根国際交流する中で、いくつか気になる共通点に気づきました。

①ギブ&テイク(自国の歴史や文化を語る)
留学先で、音楽を教えて頂くのですから、お返しに、自国の歴史や文化を語り、身近な日本の四季の行事などを話、伝えることは大切です。

②宗教について
日頃、日本人同士の付き合いに出てこない話題だと思いますが、外国の方から「あなたは何の宗教を信じていますか?」という質問を受けます。私たち大方の日本人は、堂々と?「無宗教です」と言いませんか?実は、私はそう言いました。しかし、その質問の真意は、「お互いの信仰が違うことは問題にはならないけれど、その人の考え方の核となる物差しを知っている方が理解が深まるし、自分の意見を持っている人の方が、より魅力的だと思う」ということだと教わりました。宗教の質問が、このように導かれる、身近な質問とは思いませんでした。

③社会貢献、還元することは当たり前
社会的に立派になったらそうします、と言う人もいますが、どうでしょうか。今の自分にできることを発表し、伝えることも、とても大切で、若いうちからできることがあります。母校や地元の幼稚園、老人ホーム、病院などに出向いての演奏会など、小さなことから積み重ねてほしいと思います。控えめであることとは、また別の次元と考えています。

④新聞を読むこと、異分野の人と交流すること
これはテレビで見た受け売りの話ですが…ある日本を代表する世界的メーカーの社長が、チャイコフスキーコンクールで優勝した若手ヴァイオリニストを連れて、ジュリアード音楽院の名ヴァイオリニスト、アイザック・スターンさんを訪ねました。そこでは、ヴァイオリンの話は一切なく、「あなたは新聞を読んでいますか?」と一言尋ねられたそうです。
アイザック・スターンさんのこの一言は、誠実に生きようとする全ての人に通じることではないかと、私は大変感動いたしました。聴く者の心を揺さぶるような演奏者は、新聞を通じて世界に目を向け、異分野の人たちとの交流を持ち、陰ながら己を養う努力をされていることを知りました。この番組を見て、私は、それまでに出会った外国の友人が残してくれた話と重なって、このことを若い方に伝えたいと思ってきました。才能に恵まれ、これから世界に羽ばたく受賞者の方には、是非、生かして頂きたいと思い、この度の「音楽奉納・京都研修」を思いつきました。
千年前からある“仏さまのオーケストラ”への音楽奉納。神社や仏閣、源氏物語の舞台となった京都御所を特別拝見。異分野で活躍される大先輩のお話。一世代上の先輩との交流など。次の飛躍に必ずや役立つことを信じて、ご提案いたします。

企画室 篁・U.S.A.
榎戸 敬子

創設メンバー

御寺 泉涌寺 塔頭 即成院 住職          平野雅章
毎日新聞社常務執行役員 コンテンツ事業本部長  成田 淳
ホテル日航プリンセス京都 代表取締役社長    篠 信治
ピアニスト                   佐藤勝重
発起人:企画室 篁・U.S.A. 代表         榎戸敬子

Ⅰ部

ご 挨 拶:毎日新聞社
音楽法要のための献花:ご来賓代表 関係者代表  演奏:佐藤 勝重
祝  詞:企画室 篁・U.S.A.
清  浄:平野 雅章〈即成院 住職〉
音楽奉納:第68回全日本学生音楽コンクール(高校の部)第1位受賞者
     佐藤 勝重〈ピアニスト〉
ご来賓紹介
感謝状贈呈:毎日新聞社より「仏さまのオーケストラ」護持会へ
祝  詞:篠 信治〈ホテル日航プリンセス京都 代表取締役社長〉

音楽奉納プログラム

脇坂 颯〈フルート〉 兵庫県立西宮高等学校2年
福島和夫:冥

尼子 裕貴 〈ピアノ〉 桐朋女子高等学校音楽科(共学)2年
ショパン:ポロネーズ 第6番 変イ長調 作品53「英雄」

三好 優夏〈声楽〉  東京藝術大学音楽学部1年
ロッシーニ:フィレンツェの花売り娘
ベネディクト:みそさざい

杉山 和駿 〈バイオリン〉東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校3年
イザイ:無伴奏バイオリンソナタ 作品27から第3番 ニ短調 

間 聖次朗〈声楽〉   東京藝術大学音楽学部1年
ジョルダーニ:いとしい私の恋人
トスティ:最後の歌

矢部 優典〈チェロ〉 桐朋学園音楽大学ソリスト・ディプロマ・コース1年
バッハ:6つの無伴奏チェロ組曲から第6番「プレリュード」

佐藤 勝重
チェルニー:モーツァルト歌劇「フィガロの結婚」の主題による華麗な幻想曲op.493
スクリャービン:左手の為の小品op.9からno.2番“ノクターン”

佐藤 勝重
桐朋女子高等学校音楽科(共学)を首席で卒業後渡仏。その後パリ国立高等音楽院を1等賞、パリ・エコール・ノルマル音楽院の高等演奏家課程を賞賛つき満場一致で卒業。これまでに福岡幸子、江戸弘子、G.フレミー、G.ムニエの各氏に師事。この間、全日本学生音楽コンクール全国大会優勝やSOFIA国際ピアノコンクール第1位受賞など、国内外のコンクールに入賞する傍ら数多くのコンサートに出演。また、2000年にはワルシャワで行われた第14回ショパン国際ピアノコンクールに日本代表として選抜され推薦出場を果たした。
 2012年リリースの初ソロアルバム『ノクチュルヌ』(ALM RECORDS)は、レコード芸術誌特選盤に選ばれ好評を博している。
 これらの演奏以外に、音楽雑誌への執筆やセミナーでの講義、全日本音楽コンクールなどの審査員を務め、現在、桐朋学園大学音楽学部、昭和音楽大学、同大学院にて後進の指導にあたっている。

感謝状贈呈

感謝状
貴殿は全日本学生音楽コンクール高校の部受賞者による音楽奉納コンサートの開催に対し深いご理解とご協力を賜りその実現にご尽力をいただきました。
よってここに感謝状を贈り謝意を表します。

平成28年4月21日
毎日新聞社

祝詞

日頃は皆様方には大変お世話になり、心より感謝申し上げます。
 まずは、先ほど音楽奉納をして頂きました、全日本学生音楽コンクール高校の部において第一位受賞された皆様に対しあらためてお祝いを申し上げます。また、左手のみで演奏するなど、素晴らしい演奏をご披露頂きました佐藤様、本当にありがとうございました。
 まずは、只今の演奏を聴いて私は感動いたしました。日頃はコンサートホール等で行う演奏とは違って、この仏さまのオーケストラの前で演奏されるという経験は皆様にとって非常に特別で感動的なものであったのではないでしょうか。
 私が感動した理由は、皆様が非常に素晴らしい演奏をされたことだけではなく、ミスもなく演奏されたその背景にある皆様のこれまでのご努力、ご苦労は大変なものであると感じた事。そしてお一人お一人の立ち振る舞いが大変素敵で、仏様の前に行く姿、演奏をしている姿、また終わってからの戻る姿を拝見し、どこでこんな人生経験をされたのかと思えるくらいに、堂々としていて心から素晴らしいと感じました。本当に皆様は日本の宝物だと思います。
 この企画は「音楽奉納と京都研修」という形でスタートした訳ですが、5年前の10月に企画室 篁・U.S.A.代表の榎戸敬子様から声を掛けられまして、即成院の平野ご住職様、毎日新聞の皆様、そして私どもが集まり打合せを行いました。その時話に出たのは、全日本のナンバーワンの皆様が今後どのように活躍されるのかを考えた際、日本にとどまらず世界に向けて羽ばたいていく希望に満ちた皆様だということでした。そして海外に行きますと必ず待ち受けているのが、「日本はどういう国なの?どうゆう歴史があるの?どうゆう文化があるの?」と問いかけられる事です。そこで、神社仏閣が7200箇所もある京都の地において、日本の伝統・歴史・文化の一端を皆様から語って頂くことが出来れば、この「音楽奉納と京都研修」が活かされた意義の有る研修になるのではないかと考えた訳です。そして、今年5回目の「音楽奉納と京都研修」を迎え、これはずっと継続しなければならないと思った次第でございます。
皆様はまだ学生でこれからの輝かしい将来に向け、無限の可能性を信じ、志高く人生を歩んで頂きたいと思っております。その中で、必ず苦労や困難が待ち受けていると思いますが、その苦労や困難は必ず人を成長させる糧になります。人間は、苦労や努力を通じて人間としての味わいを深くしていくわけであります。是非、皆様には苦労や困難に正面から立ち向かい、世界のナンバーワンを目指して精進して頂きたいと心から願っております。
 最後になりますが、本日お集まり頂きました皆様方のご健康・ご多幸をご祈念申し上げ、私のお祝いの挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

平成28年4月21日
ホテル日航プリンセス京都
代表取締役社長 篠 信治

京都研修

4月21日〈木〉
  16:20     祇園甲部歌舞練場 都をどり観賞
                              
4月22日〈金〉
  10:00     京都御所 特別参観
  12:00     昼食 ゆどうふの順正 生湯葉・湯豆腐懐石
  13:30     平安佛所工房 作品展見学
                        佛師 江里康慧・戴金 人間国宝 故 江里佐代子
  15:25     清水寺 特別参拝
                        講堂内 仏足跡特別参拝並びに散華
                        成就院庭園 特別参拝
                        本堂並びに清水の舞台へご案内
                        清水寺門前町散策
  17:45     ホテル日航プリンセス京都にて解散式
  18:30     京都駅八条口解散



<音楽奉納・京都研修を終えて>

脇坂 颯(フルート)
 私はこの第5回音楽奉納 in 仏さまのオーケストラ即成院で、たくさんの貴重な体験をさせていただきました。
 私はお堂で演奏することも、またお堂に入ることも初めてで、分からないことが多くてどきどきしましたが、仏さまに少しでも喜んでいただけますようにとお祈りしながら演奏しました。即成院で、後ろから仏さまが見守ってくださっている中で演奏させていただけて本当にうれしかったです。また、他の受賞者の方々、佐藤勝重先生の素晴らしい演奏を生で聴くことができてとても幸せでした。
 奉納演奏の他には京都のいろいろなところに連れて行っていただきました。
京都御所や清水寺に行ったり、平安佛所工房の見学をさせていただいたりなど、たくさん日本の文化に触れることができて楽しかったです。特に初めて観る都をどりは本当にかっこよくて、感動しました。 是非もう一度見に行ってみたいです。
 私は兵庫に住んでいるので京都は近いのですが、今までそんなに何度も行ったことはなかったので、思っていた以上に知らないことばかりでした。今回そんな京都についてたくさん勉強できてよかったです。
私は今まで京都の歴史についてあまりよく知らなかったので、もし1人で京都に行ったとしても、きれいな街だなぁと思うだけで特に何も思わず見過ごしてしまっていたかもしれませんが、今回さまざまな場所に行くたびにその歴史について詳しく教えていただいたので、より興味を持って見学することができて、改めて歴史を知ることの面白さ、大切さを感じました。
 私も音楽をこれからも大切にして続けていくことで、何かを残して繋いでいけたらと思います。
 この2日間は私にとって夢のような楽しい時間でした。こんな素晴らしい経験をさせてくださって本当にありがとうございました。

三好 優夏(声楽)
 私は第5回音楽奉納 in 仏さまのオーケストラ即成院に参加させていただき、多くの事を学ぶことができました。主旨をきちんと知らずに参加した私にとって、深く考えさせられる事ばかりでした。
 初めてのお寺での演奏は、仏さまに見守られて一緒に演奏しているようで新鮮でした。仏さまと共鳴してとても響きが良く、歌っていて気持ちがよかったです。いろんな方々のお話から、この演奏会を開催するにあたって、多くの人の応援してくださる気持ちをたくさん感じることができ、この場にいられることに感動と感謝の気持ちでいっぱいになりました。
 その後の都をどりでは、即成院での緊張感と神聖な気持ちとは一転して華やかで心弾むような気持ちになって素晴らしかったです。
 2日目の京都研修は、なかなか経験できない伝統文化にふれさせていただき、感動の連続でした。
 私ももっともっと音楽を勉強して将来は海外で勉強したいと思っています。まだまだ知らないことだらけですが、今回の研修で日本文化や日本人の素晴らしさにふれることができ、日本人としてもっと日本のことを知りたい、という気持ちになるきっかけをくださりました。
 関わってくださった多くの方々に感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。

杉山 和駿(バイオリン)
 今回の京都研修は私にとってとても印象的でした。
 まず、1日目の即成院での音楽奉納、とても貴重な体験をすることができました。お寺というものは静かなイメージがあり、音楽をするような場ではないように思っていましたが、実際に演奏をしてみてとても心地よく、後ろから仏様のオーケストラが見守って下さっているように感じました。
 演奏終了後に観に行った「都をどり」は、今までに聴いた邦楽の演奏とはまったく違った魅力を感じ、ものすごく引き付けられるものがありました。
 2日目には京都御所や清水寺などを見学し、より日本の文化に触れることができました。平安佛所工房でお茶をいただいたお部屋にあった掛け軸(「彫出心中佛」だと思いましたが)が音楽にも通用する言葉であるように感じました。
もう一つ印象的だったのは、清水寺の仏足跡でした。そこにはありませんでしたが大きな仏様がいて、自分を見下ろしている感覚に陥り、神秘的な空間でした。
今回の研修を通じて、日本の文化がこれほどに面白く、大変興味深いものであることを知りました。今まで17年間日本人なのに日本の文化をあまり知らずに暮らしていたことが恥ずかしいと思いました。この京都研修を生かして、これから日本人の心を大事にしながら音楽に励んでいきたいと思います。
最後になりましたが、即成院のご住職様をはじめ、関係者の皆様方に深く感謝と御礼申し上げます。

間 聖次朗(声楽)
 「即成院」。私は、この場所で歌うと知った時、とても驚きました。お寺で歌った経験のない私は、普段するイメージトレーニングが上手くできない程のクエスチョンが、頭の中を巡りました。また、お寺や神社に興味のない私でしたので、不安な思いを大いに抱えたまま向かった即成院でした。
 本番当日、歌う立ち位置や会場の響き、空気感などを確認した伴奏合わせの際、まず第一に思った事は、観客から私達演者が殆ど見えないという事でした。音楽というものは、耳で感じるものでもありながら、目で演者の心情などを捉え分析するなどをして楽しむものだと私は思っております。ただ、今回の趣旨は、音楽奉納。私達演者が、仏様に思いを捧げる日。いや、私の感覚で言うと、仏様とアンサンブルをする日でした。それもそのはず、一声あげると、驚いたことに、25体の仏様が私の声に反響し、共鳴し出したのです。後になって分かったことに、その仏様の中は空洞になっていたという事がありました。今となっては、構造上の理屈と分かってはいても、歌っていた当時の仏様は、まさに、オーケストラでした。もう一つ驚いたことは、お坊さんの唱える般若心経でした。まるで歌のようでした。あの様な般若心経を聴くのは、正直、初めてでしたし、今後もなかなか聴けないなと思いました。
 今、学校で涅槃交響曲という、般若心経を唱える合唱を行っております。今回の即成院で私は、まさにこの曲の真髄を見たなと思いました。また、般若心経というものは、一種の音楽なんだということも肌で感じ学び、また一つ世界が広がった気がします。
 即成院での音楽奉納。京都芸能の都踊りなど、私にとってとても貴重な京都研修になりました。そして、お寺や神社というものに、興味を持つようになりました。これからも、音楽と共に歩んで行きたいと思います。

矢部 優典(チェロ)
 この度、即成院での音楽奉納でバッハの無伴奏を演奏するという貴重な経験をさせて頂きました。厳かな本尊や脇待を背に、チェロの旧約聖書と言われるバッハの音楽を弾くという事にとても緊張しましたが、同時に感動の思いがありました。異なる宗教であっても音楽を楽しむ気持ちに変わりはないのを信じる事が出来ました。そして演奏後に、桐朋学園大学の梅津学長先生から、宗教の対立で世界で紛争が続いてるが、音楽は対立を生まないというお話がありました。サッカーのようなスポーツでも代表チームの試合でサポーターや国同士が対立する事があります。改めて音楽が世界の人々を幸せに出来る日が来ることを願う素晴らしい機会になりました。
 音楽祭やセミナーなど外国の人達と知り合う事があります。外国の人達をより深く理解しようと思う時に、まず日本の文化・歴史を知り、そして初めて外国の文化・歴史を尊重する事が出来るのかも知れないと思いました。そして、お互いに理解した上で一緒に音楽を演奏することで人としての共感が生まれるかも知れないと感じました。
 即成院でバッハという異なる宗教の中で演奏出来た事で、音楽を通じて人との繋がりや平和な世界を考えるきっかけを頂きました。貴重な経験を与えて下さった関係者の皆さま、本当にどうもありがとうございました。

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毎日新聞 朝刊 2016年4月6日



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